修行のため山に登ってきました。(往復1時間半)
何だか筋肉痛な週末なので、また
1行1行、思いつくままに小説でも書いてみます。
次の行がどうなるか自分でも分かりません。
全くヤマなし・オチなし・意味なし。
でもやおいではないです。
------------------^--------------------------------------
よほどの事がない限り、岡島は外に出ない。
こんな雨の日はなおさらである。
彼は休日になるといつも自宅のリビングで過ごす。
自宅でくつろぐのが好きというよりは
外に出るのが好きではなかったのである。
通販で買った安物のソファに座りテレビを観る。
横になって音楽を聴くだけの時もある。
お気に入りのCDを10年もののコンポで静かに鳴らす。
近所に迷惑をかけないように。
それは岡島の生き方そのものであった。
贅沢でもなんでもない、気ままで穏やかな時間は
彼にとってはささやかな幸せだった。
携帯電話はあるが、電源は切りっぱなし。
入れておいたところで鳴ることはまず無かった。
持たなくても良いくらいだが、仕事では使うので
仕方なく所有しているという程度である。
彼には欲がない。
恋人はもちろん、友人もいなかった。
シンプルというよりは殺風景な味気ない部屋には
訪ねてくる者もおらず、
隣人とも顔を合わせることがまずないので
彼の存在感というものは、この世界にまるで、無い。
職場でも必要時以外は会話を交わすこともなく
きっと、いつ辞めても誰も気には留めないだろう。
そんな空気のような存在が、岡島だった。
マンションの6階で暮らす彼はベランダから
時々、飛びたい衝動に駆られる。
身体が宙に浮いてから、
あの地面のアスファルトに達するまでの
1、2秒のあいだはどんな気持ちになるのだろうか。
怖いと思いながら落下してゆくのか、失神するのだろうか、
やはり過去が走馬燈のように脳裏に蘇るのだろうか。
痛みは一瞬だろうか、涙は出るだろうか…
最期の瞬間を想像すると、心臓は早鐘のように脈打つ。
俺はこの世に居なくてもいいのではないか。
明日を生きることに意味なんてあるのだろうか。
そんな考えが時折、ベランダの手すりに彼の手をかけさせるのだが
すぐに、後を片づける者を困らせてしまうかもしれないと考え、
思い直して彼は部屋に戻りテレビをつける。
たまたま選ばれたニュースが映し出すのは連休終わりの、
疲れた旅行客へのくだらないインタビュー。
それでもそこにはほんの少しだけ、
社会と彼をつなぐ時間が生まれる。
そこで彼は社会の人々を知ることができるが、
モニターの向こうの人々は岡島のことを知らないままだ。
片隅に生きる人間は大勢いる。
孤独なのは自分だけじゃないと思うので寂しくはない。
ただ、つまらない生き方を選んでしまったな、と
後悔はしている。
しかしそれを変える努力もしないのが彼であった。
日付が変わる頃、彼はベッドに入り横になる。
明日からまた乾いた時間が続く。
俺に来世があるなら、もう人じゃなくていい。
人間の世界なんて真っ平だ。
そんなことを考えながら、眠りにつく。
カーテンの隙間からは高速道路の灯りが差し込んでいた。
彼の頬をオレンジ色に照らす。
彼のためではない灯りが、彼にも慈悲のように届く。
その晩、
地球の遠く、遙か彼方に新しい星が産声をあげた。
何億年もの時を経たのち、
その星に海、そして生命が誕生し、
やがて文明が築き上げられ、頂点に君臨する王が現れる。
それが来世の岡島だと、彼はまだ知らない。
終
↓クリックすることでダイエットにも効果あるとか!?
FC2 Blog Ranking
思いつき小説:
トラックバック(-)
コメント(-) ▲